いよいよ今年遺言ブログも残すところあと二人となりました。ラストにバトンを引き継ぐのは私、本間貴雄です。
毎年、遺言ブログって最後のミーティングや新年会での言葉以上に多くの人に影響を与えやすいよなぁって思っています。今年私は最後のミーティングに参加できずあまりメッセージを伝えられていません。今回はその分も含め、今まで言ったことのない言葉を残すので、ぜひ最後まで読んでください。
この部で専属の審判員が誕生したのは恐らく私が初めてだと思います。それまでは資格を持ったプレイヤーがいました。
私がプレイヤーをせずに審判をする選択をしたのには、身体的問題もありましたが、サッカーチームに所属しつつもプレイヤーをせずに審判活動に勤しめばその経験や知識を選手に還元することができるだろうと考えたからです。
2020年1月19日新年会、廣瀬海音前キャプテンは当時の部員にこう尋ねた。
なぜ大学でサッカーをするのか
この問いは2017年度キャプテン藤本洸太が遺言ブログに書き残したメッセージでもある。
この話を聞いた部員が何を考えたかは分からない。一言で回答出来る人もいれば、深く考えようとすれば論文が書けるほどの人もいるかもしれない。ある意味抽象的で、しかしクリティカルな問いかけである。
同日、新年会でお馴染みの四年生へのユニフォーム贈呈を会場の隅の方で観ていた私は、直前に投げられたこの質問に答えを探していました。
審判員としての活動は部活を通じる必要はない;むしろ活動の場を狭めうる。(大学リーグ1部のチームのスタッフが同リーグの試合の主審を担当することは基本的に許されないので)
私が大学生活の4年間で触れることも着ることもなかったユニフォームを先輩たちが受け取っているのを見て、来年この式で私が初めて触れる(?)ユニフォーム(?)に対して何を思うのだろうか、と問いながら自分がなぜ「大学」で「審判員」をしているのか考えていました。
審判として中学生から社会人までさまざまなカテゴリーの試合を担当してきましたが、4年間活動してきて痛感したことは、会場設営やボールパーソン、担架要員、チームスタッフ、マッチコミッショナーを含めた沢山の人の協力のおかげでひとつの試合が成立していて毎週プレーすることができているということです。
素晴らしいことに、我々東北大学サッカー部は各種大会やイベントで試合を運営する立場を経験することが出来ますし、更には会計などの内部運営にも携わり、学生が組織運営をしています。
これは高校までのサッカーにはない魅力であり、しかも社会人よりも高い自由度があるということです。
簡単に言い換えるとプレーするだけじゃない、ということが大学でサッカーをすることの醍醐味の一つなのではないかというのが私の考えであります。私は、チームの審判員育成のような内部運営に加え、大会などでは審判員としてだけでなく他の運営スタッフとしてもサッカーに携わりサッカーを楽しめるというところに一個人として部活の価値を見出しています。
サッカーに学ぶことはまだまだあると思います。
2年前に引退した佐久間さんは引退した後のある日、私にこんなことを語ってくださいました。部活を法人化すれば、金の流れが透明化され、部の利益や企業様の利益につなげることもできる、と。ここに目を向けたことのある人間はどれほどいるのか分からないですが、現状に入り浸ってしまうのではなく、常に目を見開いていて欲しいと思います。
サッカーには果てしない可能性があるのです。
大学なら尚更です。
東北で類を見ない、学生主体で組織的なチーム。
私たちじゃなきゃできないことはもっとたくさんあるはずです。
私の所属していた4年間に、班制度などによるサッカー部の組織図の改革が起こり、その一役を担うことができたことは人生の大きな宝物です。
審判員をやる上で所属したチームが東北大学学友会蹴球部であったことを誇りに思います。
冒頭に立ち返って考えると、私が一年生の時「なぜ(大学の部活でなくても)チームに所属して審判をするのか」の答えだと思っていた「選手への審判員としての経験や知識の還元」は、4年間で達成できたのでしょうか?
YESと答えてくれる選手がいたら、名誉なことであります。
同期の皆へ
自分は来年からも審判のトレーニングのために部活に顔を出すと思っていたので引退について未練はなかったけれど、他の4年生のブログを読んで、もうグラウンドに行ってもみんながいないことを考えると、本当に悲しいです。4年間見てきた君たちのユニフォーム姿や玲奈のカメラマン姿は本当にカッコよくて、輝いてた。どこか遠い存在のように憧れていました。
先輩や後輩も含めた皆へ
私が選手としては諦めた「勝利」の喜び、チームのしての「成長」の楽しみを与えてくれて本当にありがとうございました!ただ、選手としてもやっていたら、もっともっとその感情を共有できていたんだろうなという心残りはあります。
私の好きなドラマの名言で “I don’t have dreams. I have goals.” という言葉があります。夢とはただの幻想にすぎず、主体的に成し遂げる意志があるならばそれは目標だということを言っているのだと思います。
今年目指したインカレ出場は「夢」ではなくて「目標」です。これまでに積み重ねられてきたこの部活の伝統が存在する限り、インカレ出場はファンタジーのような夢なんかではなく、達成しなければならない目標です。
近い将来、チームの目標がより高いところにあることを期待しています。
2020年12月14日
本間貴雄